ガス溶接とは?ガス溶断との違いは?分かりやすく解説

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ガス溶接とは、可燃性ガスと酸素が結び付き、燃焼する際に発生する熱を利用して金属の接合を行う溶接方法のことです。

ガス溶接はそのほかの溶接方法と比べてどんな特徴やメリットがあるのでしょうか?また、ガス溶断との違いは何でしょうか?これらについて解説していきます。

ガス溶接の特徴およびメリット

まず、主な溶接方法として以下のものが使われています。

  • 電気(電気抵抗)
  • アーク
  • ガス
  • プラズマ
  • 電子ビーム
  • レーザー

この中でも主流なのはアーク溶接とスポット溶接(電気抵抗)がよく使われており、単に溶接と言った場合は、アーク溶接を指す場合が多いです。

ガス溶接の特徴としては、溶接速度が遅く、アーク光が発生せず溶接部が見やすいので、溶接不良が発生しにくいことがあげられます。一般的にアーク溶接より熟練を要するが、発生温度が比較的低く温度調整も容易で薄板の接合に適しているとされています。

ガス溶接に必要な資格は?

ガス溶接(酸素アセチレン溶接など)を行うには技能講習を受ける必要があります。技能講習の内容としては、2日間にわたり学科講習と実技講習が行われます。科目は以下の通りです。

  • 【学科】ガス溶接等の業務のために使用する設備の構造及び取扱いの方法に関する知識(3時間)
  • 【学科】ガス溶接等の業務のために使用する可燃性ガス及び酸素に関する知識(3時間)
  • 【学科】関係法令(2時間)
  • 【実技】ガス溶接等の業務のために使用する設備の取扱い(5時間)

また、ガス溶接の作業の中でも特に、アセチレン溶接装置(溶解アセチレン以外を使用するもの)またはガス集合溶接装置(労働安全衛生法施行令第1条第2号に定めるもの)を使用する溶接作業を行う場合には、ガス溶接作業主任者を選任する必要があると、労働安全衛生法に定められています。

ですが、可燃性ガスと酸素1本ずつのガスボンベを使用して溶接作業を行う場合は選任の必要はありません(技能講習は必要)。

ガス溶接作業主任者については、技能講習を受けた者が実務経験を積むと取得できます。

ガス溶断との違い

ガス溶断とは、金属を高い温度で酸化させ、その酸化物をガスで吹き飛ばすことによって行う切断方法です。ガスによって加熱する原理は溶接と変わりありません。

ガス溶断を行う場合にも、ガス溶接技能講習を受けている必要があります。

まとめ

ガス溶接について解説してきました。ガス溶接の特徴としては一般的なアーク溶接よりも装備が軽く済み、目視できるため溶接不良が発生しにくいことが挙げられます。ガス溶接作業を行うには技能講習を受ける必要があり、アセチレン溶接装置またはガス集合溶接装置を使用する場合は作業主任者の選任が必要となります。ガス溶断はガス溶接の加熱原理を切断に応用したものとなります。

ガス溶接はアーク溶接より軽い装備で作業できますが、高温となることや、ガスボンベを用いることから、火災や爆発といった事故の可能性があります。可燃物の撤去や消火器の準備、手袋等の保護具の使用等は抜かりなく行って作業しましょう。

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