三峡ダムの豪雨による被害状況

こんにちは。

今年は日本でも各地で洪水の被害が出ていますが、中国でも大きな被害が出ているようです。

三峡ダムで何が起きているのか

2020年6月に長江流域で豪雨が発生しました。

2020年6月22日重慶市(直轄市)の水利当局は、最高級水位の「洪水紅色警報」を出しました。この警告により市民4万人が避難しました。

2020年6月29日に事前放流を行い増水に備えたものの豪雨は継続しました。

長江上流域の四川省などで、豪雨による洪水被害が出ています。

7月19日にはふたたび増水のピークを迎えました。このときは下流の洪水抑制のため放流を制限しダムの水位は上昇しましたが、ピーク後に放流が行われて水位は下げられました。この放流によって下流は洞庭湖を中心に警戒水位を超え、避難が行われました。

8月20日には5回目のピークを記録し、同日には三峡ダムの航行が中止されました。8月21日には水位は165mを超え、危険水位を大きく上回ることとなりました。

8月25日、増水のため174時間通航がストップしていたダム閘門がついに船舶の通航を再開しました。三峡ダムが完成して以来、今回が最も長い出水期の通航停止期間となりました。

中国応急管理省の幹部は8/13時点で、6300万人が被災、死者・行方不明は219人、経済損失は約1790億元(約2兆7300億円)に上るとしています。

三峡ダムの概要

中国・長江中流域の湖北省宜昌市三斗坪にある大型重力式コンクリートダムです。1993年に着工、2009年に完成しました。洪水抑制・電力供給・水運改善を主目的としています。三峡ダム水力発電所は、2,250万kWの発電が可能な世界最大の水力発電ダムとなっています。

三峡ダムの特徴

ダムの利点としては、それまで重慶市中心部には排水量3,000 t級の船しか遡上できなかったのが、10,000 t級の大型船舶まで航行できるようになりました。加えて、水力発電所は中国の年間消費エネルギーの1割弱の発電能力を有しており、火力発電と比べ発電時のCO2発生も抑制されています。

その一方で建設過程における住民110万人の強制移住、三峡各地に残る名所旧跡の水没、更には水質汚染や生態系への悪影響等、ダム建設に伴う問題が起こっています。

もし三峡ダムが決壊したらどうなるか

万が一決壊した場合は上海市や武漢市などの下流域の大都市に大きな被害が想定されます。また、中国国内の電力供給がストップすることで大規模な停電を引き起こす可能性があります。

まとめ

今日は三峡ダムの豪雨による被害について書いてきました。三峡ダムは日本の大きなダムと比較にならないほど巨大なダムです。今回の中国での豪雨では、そのような巨大なダムをもってしても、長江の流域も広大なため、流入量がダムの能力を超えてしまっていることを意味しています。中国でも日本でも、豪雨による大きな被害が発生しており、ダムの建設をベースに治水対策を講じるのか、他の手段があるのか、考えていかなくてはなりません。

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