薬液注入工法とは?地盤改良工法について解説しました

薬液注入工法とは「任意に固化時間を調節できる注入材料を(薬液)」を「地中に設置した注入管を通して地盤中に圧入し」「止水や地盤強化」を図る地盤改良工法です。

地盤の浸水性を低下させ、粘着力の付与によって一体化したサンドゲル(注入材を砂に浸透させ硬化させた固結物)を形成させます。それにより地盤の崩壊や、湧水を防止することができます。

使用例としては、地下工事等において工事の安全を確保するような工事が想定されます。

薬液注入工法の特徴

薬液注入工法の特徴として以下の点が挙げられます。

  • 程よい固さに固まるので掘削の支障にならない
  • 機械設備が小型なので、狭い場所でも施工可能
  • 小さなパイプのみでよい(地中設置管)
  • 360°どのような方向にも自由に施工できる
  • 産業廃棄物が非常に少なく環境にもやさしい
  • 工法・材料の種類が多いので、地盤条件などでの使い分けが容易
  • 振動・騒音が少なく、ほとんどの土質で実績がある

薬液注入工法の種類一覧

  • 二重管ストレーナ工法(単相式・複相式)
  • ダブルパッカ工法
  • その他

二重管ストレーナ工法

二重管ストレーナ工法には単相式と複相式の注入方式があり、単相式が地盤強化、複相式が透水性の減少を主な目的としています

Φ40.5mmの二重管ボーリングロッドで所定の深度まで削孔した後、単相式は瞬結性薬液を注入し地盤強化や空洞充填を図ります。

複相式はまず地盤の1次処理として瞬結性薬液を注入し、注入管周囲のシール・粗詰めを行った後、続いて2次処理として緩結性薬液を注入することで、土粒子間隙への均質な浸透を図り、地盤を一体固結化して止水します。

ダブルパッカ工法

ダブルパッカ工法は、地盤内に注入外管を設置完了後、最初に地盤の層境や大きな空隙を埋めるための注入を行います(1次注入)。続いて土粒子の間隙に浸透するように数分から数時間という長いゲルタイムを持つ溶液型の薬液を注入する(2次注入)ことで地盤を一体固結させ透水性の減少と強度増加を図る工法です。

その他の工法

薬液注入工法には二重管ストレーナ工法やダブルパッカ工法の他にも、単管工法やエキスパッカ工法(急速浸透注入工法)、動的注入工法などの工法があります。

まとめ

今回は薬液注入工法について解説してきました。

薬液注入工法とは、凝固する性質を有する化学薬品(薬液)を地盤中に所定の箇所に注入管を通じて注入し、地盤の止水性または強度を増大させることを目的とする工法です。

浸透固化した薬液により、地盤の粘着力が増加し、透水係数が減少する事で、地盤を強化させ透水性が高まります。

主な工法としては二重管ストレーナ工法、ダブルパッカ工法などがあります。

今回の記事は以上になります。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

よろしければ、ご意見ご質問ありましたら、一番下のコメント欄に書き込んでいただけるとありがたいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました