打継処理剤と普通の打継処理の比較

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こんばんは。

現場の連絡車のギアの調子が悪いので、それについて調べて記事にしようかと思ったのですが、ギアオイルについて調べ始めたら沼にはまりそうなのでやめました。

今日は打継処理剤の効果について検討した論文を紹介します。

日本コンクリート工学会というところが毎年出している論文集に掲載されている2011年の論文です。海洋土木のゼネコンの研究所の方が第一著者になっています。

打継処理剤を散布するだけで、通常の打継処理と同等の性能を確保できるというのは本当なのか調べた研究になります。

打継処理とは

生コンクリートを打設すると、表面に水分やノロ(微粒子)が浮いてきます。これらは不純物で、このコンクリートの上に新たに打ち継ぐと、打ち継ぎ目が不純物なので弱点になってしまいます

弱点はのちにひび割れなどになってしまいます。ひび割れは、付着強度の低下、鉄筋のサビ、水漏れなどにつながります。

この不純物を取り除くには、生コンが硬化する前に高圧洗浄機などで除去する必要があります。一般的には物理的に取り除きますが、結構な労力を要します。

そこで、高価ではありますが、表面にまいておくだけで済む打継処理剤が普及しています。

論文の内容

3つのパラメータに着目した実験を行っています。

  • 引張強度(直接引張試験)
  • 中性化速度(促進中性化試験)
  • 透水係数(アウトプット法による透水試験)

結論として、

  • 用いる打継処理剤によっては通常打継処理(凝結遅延剤+高圧水)よりも大きな引張強度が得られる傾向
  • 打継目における中性化速度は通常打継処理よりも大きい
  • 透水試験では打継処理剤を用いることで,透水量が徐々に減少する傾向が認められ,コンクリート標準示方書に示される算定式以下の透水係数を確保できる

と言っています。

引張強度については、なにも処理しない場合よりは、打継処理剤を使用した場合のほうが強度が出ています。通常の打継処理をした場合と比べると、強度が出るケースと出ないケースがあるようです。

中性化速度は、通常の打継処理を上回ることはありませんでした

そして透水係数ですが、これはバラつきが大きいようです。だから、欠陥なく施工できれば、通常の打継処理なみの性能を確保できるとしています。無処理でも欠陥なく施工できれば同様の結果です。通常の打継処理の場合、バラつきが小さい結果となっています。

まとめ

通常の打継処理が最も確実に必要とする性能を確保できるという結論にはなりましたが、引張強度については打継処理剤の効果は確実にありそうです。この論文ではさらに、コンクリートの凝結の進み具合によって打継処理剤の効果に影響があるのではないか、としています。9年前の論文なので研究が進んでいる可能性がおおいにあります。調べます。

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